【Meety】偶発性のある“カジュアルな出会い”をオンライン化する

カジュアル面談を“本当にカジュアル”にしたMeetyが、物理的に人と会いづらくなったコロナ禍で爆発的に成長している。 Meetyは、個人が投稿する「エンジニアキャリアの壁打ち相手になります」「デザイナーとの協業どうしてる?」などのお題に対して、話を聞きたい人が「話したい」ボタンを押せばマッチングが成立。オンラインでお題について語り合う仕組みだ。 これがスタートアップを中心とした「採用」の形を大きく変えようとしている。なぜ今、Meetyが求められているのか。代表の中村拓哉氏に聞いた。

中村拓哉 株式会社Meety代表取締役
2011年Speeeに入社。Webマーケティングのコンサルティングやアドテク関連事業の立ち上げを推進。社長室へ異動後、2年間で100名以上の採用を実施。2017年1月にSpeeeから投資したXR関連スタートアップにCOO事業推進責任者として参画。2019年5月に株式会社Meetyを創業し、2020年10月にカジュアル面談プラットフォーム『Meety』をローンチ。

企業が「採用したい人を採用する仕組み」は限界

─中村さんは、どんな課題を解決したいと思ってMeetyを創業したのでしょうか。

僕は前職のSpeeeで人事経験があるのですが、採用系のサービスは「企業が採用したい人を採用するためのサービス」がほとんどで、候補者に向き合ったものはほとんどなかったんですね。

少子高齢化で労働力人口が減少し続ける日本は、今までのような「企業が採用したい人を採用する」仕組みだけでは限界があります。実際、僕が人事をしていた2015年頃、すでにエンジニア採用は非常に困難でした。

だから、徹底的に候補者を向いたサービスを作って、人と人のつながりから人材の流動化を促したいと考えたのが、起業のきっかけです。

─それが、応募前に関係性を作るカジュアル面談のサービスにつながった。

そうです。「採用人数」で評価される人事からすれば、選考になかなか結びつかないミートアップやカジュアル面談は極力やりたくありません。

選考までの道のりが遠いし、“やって終わり”になるケースが多い。

でも、候補者の立場になれば、応募する前に気軽に話を聞いて、その会社のことを知る機会は必要です。そこにギャップを感じていました。

海外には、採用領域にもマーケティングとインサイドセールスのような、やんわりと接点を持って温めていくプロセスがありますが、日本はそこがポッカリと空いていた。だから、人と人とが緩くつながる仕組みとして、Meetyを立ち上げたのです。

求人ありきのカジュアル面談ではない

─従来のカジュアル面談は、雑談で終始することが難しく、結局は面接のようなことをする企業が多かったと思います。

まさにその通りで、僕も結局は面接に近いことをしていました。

今思えば、カジュアル面談を職種に関係なく人事が一手に引き受ける構造に無理があるんですよ。そもそも人事の評価が採用人数だから、カジュアル面談に本気で取り組めるはずもない。

だから、Meetyは人事が運用するメディアではなく、エンジニアでもマーケターでも誰でもカジュアル面談を設定できるようにしました。

しかも、採用目的だけでなく、個人として他社の人と意見交換をしたい、新しいつながりを作りたいといった目的のカジュアル面談も可能です。

─ビジネス文脈での純粋な出会いの場として活用できる。

そうです。今までのカジュアル面談の課題は、求人ありき、採用ありきのものがほとんどだったこと。だから人事が対応していたんですよね。

すると、エンジニアが「デザイナーとどう連携してプロダクトを作っているのかを聞きたい」と思っていても、人事相手では話にならない。実際、僕が人事時代にエンジニアとカジュアル面談をしても、心を開いてもらえませんでした(笑)。

求人に応募した後ではなく、応募する前に話を聞きたい、つながりを作りたい。そのアプローチ手段として、Meetyは「会うハードル」をとにかく低くしています。

カジュアル面談を、本当にカジュアルに

─Meetyはコロナ禍で、爆発的な成長をしています。何が引き金となったのでしょうか。

もともとMeetyは「オフラインで会う」ことを前提としたミートアップのメディアでした。

でもコロナ禍で一気にオンライン化が進んだので、オンラインでもっとラフに話ができるカジュアル面談にシフト。すると、平日の日中にカジュアル面談が活発に行われるという、大きな変化が起きたんです。

そもそも、カジュアル面談は社外活動ではなく、仕事の一環ですよね。今までは、日中働いている候補者に合わせて就業時間外に設定するケースが多かったのが、オンラインで堂々と平日の日中にカジュアル面談ができるようになりました。

しかも、時間を15分と短く設定することもできるので、候補者も仕事の合間に話を聞きやすい。オンラインによって、カジュアル面談のフォーマルさが限りなく削ぎ落とされ、本当にカジュアルな出会いの場になりました。

もう一つ、Meetyが成長した背景には、コロナ禍でミートアップやイベントがウェビナーに代わり、人とつながる機会が圧倒的に減ったことも影響しています。

リアルのイベントの良さは、終わった後に立ち話や交流会でネットワーキングができたこと。でもそれができなくなり、ネットワーキングや人脈作りの要素をMeetyに求める人が増えたんです。

最近は、「noteで書いたことをより深掘りして話します」「イベント後に話したい人はこちら」といった誘導コンテンツも増えており、カジュアル面談の新しい形が生まれていますよ。

大切なのは、双方向のコミュニケーション

─カジュアル面談の新しい形として、他にどんな例がありますか?

MeetyはCtoCサービスなので、会員登録さえすれば誰でもオープンにつながれます。しかも1対1のカジュアル面談だけでなく、10人以内のグループトークも可能。

たとえば、「5人でマーケティングツールの管理画面を見せ合いませんか?」「会社のOKRを作るミーティングに3名まで参加OK」というコンテンツでつながることもできるんです。

─その体験は新しいですね。

コンテンツは自由に作れるので、出会い方も無限に作れるのが特徴です。

Meetyのグループトークと、ウェビナーやYouTube、Podcastなどのビジネスコンテンツとの違いは、双方向のコミュニケーションで人と人とのつながりを作れること。

ウェビナーで同時視聴数が多くても、ほとんどの人がただ聞いているだけですよね。それではつながりは作れません。

だから、Meetyは大勢が同時視聴するメディアではなく、少人数で全員がお互いのことを知って会話することを重視しました。

─作り手が想像しなかった使い方も増えてそうですね。

増えていますよ。1人で10個も20個もコンテンツを作って投稿する人もいますし、仕事とは関係ない「スキューバダイビングの話をしよう」といったコンテンツを投稿する人もいます。

話を聞くと、本当にスキューバダイビングについて語り合い、最後の1分で会社の話をして「次はランチで会いませんか?」と誘うと、結構な確率で次につながるそうなんです。

実際、この方法で何人も採用している企業もいますよ。

─個人と個人が対等につながり、最終的に採用に落とし込む。

それがちょうどいいんだと思います。「カジュアル面談でざっくばらんにお話ししませんか」と言われても、アジェンダがないと「会うハードル」が高いですよね。

でも、Meetyは最初からお題としてアジェンダが設定されていて、それを聞きたい人が集まる仕組みなので、「会うハードル」が低い。個人と個人が対等につながって、ご縁があれば採用につながる、すごく自然な流動だと思います。

徹底的に「人」に向いたプロダクトを作り切る

─Meetyのこだわりを教えてください。 

僕らのこだわりは、徹底的に個人に向いたプロダクトを作ること。

たとえば「エンジニア特集」を組むなら、メルカリやLINEの有名なエンジニアに出演オファーを出すなど、候補者の興味関心だけを考えたアクションを取り続けています。

結果、「この人が使っているなら使ってみよう」と多くの人が集まってくれるようになりました。

しかも、そういった有名なエンジニアやCXOがMeetyに登録した後は、コンテンツの投稿者だけでなく応募者にもなれるから、ユーザープールに有名なエンジニアやCXOがゴロゴロいるんです。

通常の転職市場では出会えない人と、出会いやすい場にもなりました。

─今はインターネット企業やスタートアップの利用が多いと思いますが、大企業にも広がると思いますか? 

広がると信じていますが、実際に大企業の人がMeetyを使うのは結構ハードルが高いとも思っています。

だからといって、僕らは大企業も使いやすいようにプロダクトを作っていこうとは考えていません。何より重要なのは、ユーザーにとって良い体験を提供すること。

ただ、大企業もDXやオープンイノベーションに取り組んでいるので、成功させるにはエンジニアやスタートアップの人材を採用したいと考えるはずです。

そのとき、従来の採用方法で人事がアプローチしても、エンジニアやスタートアップの人材は振り向いてくれないと思うので、候補者にアプローチする手段としてMeetyを活用してもらえたら嬉しいですね。

これからますます人材が減っていく日本だからこそ、都市と地方、スタートアップと大企業の垣根をなくし、かき混ぜられた状態を作りたい。僕らはその一助を担えたらいいなと思っています。

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執筆:田村朋美
撮影:後藤渉
編集:呉琢磨

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